犬は月をめざす

もっとブワァー!ときてボーンと!

映画『アフタースクール』を観たんご。

鍵泥棒のメソッド』が面白かったので、同じく内田けんじ監督の作品『アフタースクール』を観ました。

熱く感想を書いていくとネタバレになるので、ふわっ〜と映画全体の雰囲気だけ書きまーす。 いえーい。ぴーす。

鍵泥棒のメソッド』も、『アフタースクール』も、すごく「ポジティブな裏切り」をするなぁ!っておもいます。

裏をかくとか予想を裏切るとか、そういうのって結構、悪いほうに悪いほうに流れるの多いじゃないですか。 あいつが寝返った!こいつが敵だった!みたいに。

いい方に裏切るって、悪いほうに裏切るより、むずかしいんじゃないのか。

人を悲しませるのは簡単だけど、笑わせるのにはチカラが要るのと似ていて、悲しませるには何かもう単純にボッコボコに殴るとか、罵詈雑言を浴びせるとか、パッと思いつくのですが、喜ばせるのってむずかしい。

たぶん、人のことじっと見てないとできない芸当だとおもいます。その人が、何がすきで、何で喜ぶのかって、意外とわかんないものです。

ちょっと話がそれるけど、誕生日プレゼントがむずかしいのは、誕生日という時限爆弾みたいな期限が付いて回るからで、誕生日といわず、欲しいなーとか、ショーウィンドウに目を奪われていたりとか、そういう何気なーい瞬間をおぼえておいて、後から何気なーくあげたらいいと思うんです。

誕生日には、プレゼントなんていいから、ケーキと、いつもより少しだけ高いお酒で乾杯、でいいじゃないですか!?誕生日なんて!?

恋人いないけどー!!!!ヒッヒーーー!!

内田けんじ監督の作品は、いい裏切り、ポジティブな裏切りをしてくれる。 スカッとしてる。 ポジティブ。ノリが軽いし。

登場人物が次々と出てきて、何かが起き、そしてラストに向けてすべてが集結していく感じや、物語の背景が少しずつ見えてくる感じは、伊坂幸太郎の小説と似ているなぁともおもいました。

最後、大泉洋演じる神野が、佐々木蔵之介演じる北沢に言うセリフは、うーんさすが先生ー!モジャモジャも言う時は言うジャーン!っておもいました。

ありふれた言葉かもしれないけど、ありふれた言葉はどれも重い。

つまんない日々は総じて身から出た錆です。 うう、耳が。耳が痛い。

しかしながら『鍵泥棒のメソッド』のコンドウといい、『アフタースクール』の神野といい、かっこいいですね、姿勢が。 男の姿勢ですな。 うん。かっこいい。 ああいう自分に潔い生き方いいよ。 かっこいいよ。