犬は月をめざす

もっとブワァー!ときてボーンと!

キリストさん

職場にキリストに似てる人がいる。
髪が長くて身体がほっそくてヒョロヒョロしててちょび髭が生えていて若いのか若くないのか微妙なラインの男性である。

うちの職場の玄関には社員証みたいなバッジをピッとかざして通るゲートがある。
ゲートの手前には来客用のソファがある。
ゲートを通って右に曲がればすぐ休憩所がある。

ある日、キリストさんがそのゲートの外にある来客用のソファに座って本を読んでいるのを見かけた。
朝日に照らされ本当にキリストのようだった。真っ黄色のTシャツにジーパンのキリスト。ああ眩しい。読んでいるのは聖書かな?ああ休憩所の水を持っていってワインにしてもらいたい。。

神々しいなと思いつつ、でも、しかし、なぜ、そこで本を読むのですか、主よ。休憩所はすぐそこにあるのですよ、主よ。わざわざ出なきゃいけないのに、主よ、あなたは、ああ、なぜ、玄関の近くだからクーラーもそこまで効いてないし、休憩所には誰もいなかったのに。

キリストの考えることはよくわからない。